大判例

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東京地方裁判所 昭和27年(ワ)6050号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔事実〕原告等は、別紙目録記載の不動産は、原告甲又は同乙の所有であるが、被告は右物件につき被告の訴外会社丙に対する債権八十四万二千二百十二円に関して抵当権設定登記をし、また被告を債権者、丙を主たる債務者、原告両名を連帯保証人とする執行約款附保証契約公正証書を作成した。しかし右抵当権設定登記及び公正証書は無効である。すなわち、原告等は右登記及び公正証書作成用の委任状と印鑑証明を被告に交付したが、被告は右登記申請に際し、原告両名の不動産に関する権利証が訴外第一信託銀行に保管されているのを知りながら、不動産登記法四四条にいわゆる「登記済証が滅失した」ものとして、保証書を差入れて登記したが、このような場合に保証書によることは許されないから、被告の本件抵当権設定登記は無効である。と主張し、(爾余の主張は省略)

前記抵当権設定登記手続の抹消及び前記保証契約公正証書の無効確認を求める。

被告は、本件権利証が第一信託銀行に保管されていたことを知りながら、保証書によつて抵当権設定登記をしたことを認めるが、かかる登記が無効であるとの点を争う。(爾余の主張は省略)

〔判斷〕原告敗訴。裁判所は、原告等の主張を排斥して本訴請求を棄却した。判決は原告等の前記主張につき、次の如き判断を与えている。

「原告等は、被告において原告等の本件不動産に関する権利証が訴外第一信託銀行株式会社に保管中であることを知りながら、之を滅失したものとして保證書を差入れたことを主張し、従つて本件抵当権設定登記が無効であると主張するから、この点を判断する。

被告は右原告主張の事実については争わない。不動産登記法第四十四条にいわゆる「登記済証が滅失」とは単に物質的に消滅した場合のみならず、登記済証が登記義務者(本件においては抵当権設定者たる原告等)以外の第三者の手裡にあつて原告等が之を取戻すことが一般取引の観念上不能であると認められる場合をも包含するものと解するを相当というべく、而して被告が本件抵当権設定登記申請当時本件不動産の登記済証が訴外第一信託銀行株式会社の手裡にあり同会社は原告等及び訴外橋本産業株式会社との前記認定の特約により之を原告に返還することを強く拒否していることは当事者間に争がないのであるから原告において右登記済証を前記訴外会社から返還をうけることが一般取引の観念上可能であることを立証しない限り被告のなした前記登記申請手続を違法ということは出来ない。」(爾余の爭点は省略)

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